冬の寒さが和らぎ、柔らかな日差しに春の気配を感じるようになった2月28日。私は名古屋市緑区にある、江戸時代の風情を今に残す宿場町・有松へと足を運びました。今回の旅の目的は、この地で受け継がれてきた伝統工芸「有松・鳴海絞(ありまつ・なるみしぼり)」を自らの手で体験することです。
名鉄名古屋駅から電車に揺られること約20分。有松駅に降り立つと、そこには都会の喧騒を忘れさせる、落ち着いた時間が流れています。今回は2回に分けて、有松の魅力と歴史を巡る散策の様子をお届けします。
「MARUKI」の静寂に包まれて。絞り体験前の贅沢なティータイム
絞り体験の予約時間まで少し余裕があったので、まずは駅のすぐそばにある和カフェ「MARUKI(マルキ)」さんを訪れました。有松の古い町並みに溶け込むこのお店は、散策の合間に立ち寄るのに最高のロケーションです。
店内は木の温もりに包まれた、非常に落ち着いた雰囲気。今回いただいたのは、香り高い抹茶ラテと、口の中でほろりと解ける食感がたまらないスノーボールです。甘さ控えめな抹茶の苦味が、歩き始めたばかりの身体に優しく染み渡り、まさに至福のひととき。あまりの心地よさに、お土産として自宅用にあられも購入しました。

合計で1,470円。静かな空間で過ごすこの時間は、これから始まる伝統工芸への挑戦に向けて、心を整えてくれる大切な序奏となりました。
「有松・鳴海絞会館」で職人の技と歴史に圧倒される
身体が温まったところで、本日のメインスポット「有松・鳴海絞会館」へ向かいました。ここは有松絞りの歴史資料や貴重な作品が展示されており、伝統工芸士による見事な実演を間近で見ることができる場所です。
2階の展示エリアでは、気の遠くなるような手間暇をかけて作られた絞り染めの数々に目を奪われます。一言に「絞り」と言ってもその技法は100種類以上もあり、職人さんが流れるような手さばきで布を括(くく)っていく様子は、まさに芸術そのもの。

400年もの間、絶えることなく守られてきた技の重みを肌で感じ、深い感動を覚えました。お話を伺うとやはり指先への負担が大きいそうで、休み休みやらないと指が痛くなってしまうそうです。それでも続けてくださる方々がいるからこそ伝統が続くのだと感じます。
世界に一つだけ。無心で挑む「絞り体験」の愉しみ
見学の後は、いよいよ楽しみにしていた絞り体験教室に挑戦です。今回は手ぬぐいを用意していただいたのですが、先生が「2回体験できるように」と、ハンカチサイズと2枚に切り分けてくださいました。
絞りの工程は、布を糸で括る作業が中心です。
- 大きなサイズ(手ぬぐい): 出来上がりを想像しながら布を括っていきましたが、染め上がったものを見ると、もう少し絞りを多めに入れたほうが、よりコントラストの効いた仕上がりになったかもしれません。

- ハンカチサイズ: 1枚目の感覚を活かして挑んだところ、こちらは非常にバランス良く、理想通り綺麗に仕上げることができました。

括りを解くまでどのような模様が出るか分からないドキドキ感こそ、絞り染めの醍醐味です。自らの手で伝統の一端に触れることができ、忘れられない経験となりました。
散策のアドバイス・店舗情報
有松・鳴海絞会館の絞り体験は、週末などは非常に人気があります。希望の時間に確実に体験するためには、事前にお問い合わせや予約をしておくのがスムーズに楽しむための秘訣です。 また、会館1階の即売場では衣類や小物も充実しているので、体験の前後にお気に入りを探すのも楽しいですよ。
施設・店舗情報
- MARUKI(マルキ)
- 公式Instagram
- 住所:愛知県名古屋市緑区有松3001-2
- 営業時間:09:30 – 18:00(水曜・第2.4火曜定休)
- 有松・鳴海絞会館
- 公式サイト
- 住所:愛知県名古屋市緑区有松3008番地
- 開館時間:9:30~17:00(実演は16:30まで)
今回の散策費用
- 交通費(名鉄 名古屋〜有松): 400円
- MARUKI(飲食・お土産代): 1,470円
- 有松・鳴海絞会館(入館・体験料): 2,500円
- 小計: 4,370円
【次回更新予告:6月12日(金)21時】 次回のブログでは、有松の名店での絶品ランチと、歴史の教科書でもおなじみの「桶狭間」の古戦場巡りについてお届けします。戦国の記憶を辿る午後の散策と、愛用アプリ「世界の霧」のレベルアップについても詳しくお伝えしますので、どうぞお楽しみに!


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